ゆっくりと悟る

翌永禄2年(1559年)、織田信長の同朋(頭を丸め茶菓などを運ぶ身分の軽いもの)であった愛智十阿弥を、前田利家は斬殺した。理由は、十阿弥が利家の体面を汚すような無礼を仕掛けたからとか、利家の刀の笄を盗んだから、と言われている。山岡荘八は著書「織田信長」の中で愛智十阿弥と前田利家を対比して、「十阿弥が、五秒か十秒で悟ることを(利家は)ゆっくりと悟るのである。」とある。人間にはすぐに悟る人とゆっくりと悟る人がいる(ちなみに僕もゆっくりと悟る人だ)。

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日本人は会社の意思決定が遅いと言われているが、理由は主に2つあると考えている。

・ひとつは、欧米の流儀がトップダウンであるのに対し、日本はボトムアップのためだ。ボトムアップの会社が意思決定しようとすれば、それなりの時間がかかる。(一部のエリートが会社を引っ張るトップダウンと、社員が一様に能力の高いボトムアップのどちらが良いとは言えない。)

・もうひとつは、日本は調和を重んじ、対立や議論を嫌うことである。米国のように、議論(ディベート)をスポーツ的にやれば決断力は鍛えられる。勝ち負けが重要なのだ。一方で、調和は時間がかかるが、方向性が決まった時の推進力は大きい。

 

現在、決断力の早さが推奨され、トップダウン方式のグローバル企業がもてはやされている。ただ、(トップダウンボトムアップ)それぞれに一長一短があり、ゆっくりと悟るタイプの日本を無理に変えて行く必要はないと思うのだが。

 

(この文章は、今後アナウンスなく修正される可能性があります)