令和元年10月の消費税増税にあたって

<はじめに>

〇これまで私、フィンチは、日本経済新聞を代表とした富裕層に対して、約2年前の2017年8月から「メッセージ付イラスト」(※)を通じて批判を続けてきました。これは庶民のため、日本のために、この10月の消費税増税を阻止したいとのフィンチの強い思いから始めたものです。

(※)当初は自分なりのイラストを描いていたのですが、フィンチは絵が上手ではなく、時間もかかるので、イラスト発信の早い段階で「いらすとや」さんのイラストやネットの拾い物画像を少し加工して掲載するようにしました。なお、イラスト掲載の際には、連絡をいただければ速やかに削除、修正等の対応を行う旨を記載しております。ちなみに、当初、アンとケンジの2人が登場しますが「ケインジアン」にかけた名前です。

(※)当初はpixivに掲載していましたが、日経新聞やその他特定の経済人を批判しているからなのか(原因不明です)2回アカウントを凍結されましたので、現在はniconicoに投稿しています。

(※)イラスト付メッセージの内容は、長く(10年以上)三橋貴明さんのブログを読んだことで、自分なりに経済を理解したものです。一般的な経済学の説明とは異なっている部分もありますが、本質的な部分はあっていると思っています。今の日本や世界の抱える問題は、三橋さんの言う緊縮財政などの新自由主義(エリート主義)に偏っているためと考えれば、すべて説明可能になります。格差拡大によるトランプ誕生や英国のEU離脱問題、MMTの勃興、GAFA批判などは、すべて偏った新自由主義の反動なのです。

 

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〇結局、思いは届かず、フィンチをはじめネットを中心とした草の根での反富裕層主義者(反緊縮財政、反経済グローバル)は敗北し、富裕層のプロパガンダが勝利しました。この10月に日本経済新聞ら富裕層の思惑・希望どおり、消費税は10%に増税される見通しです。

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〇日本の財政赤字は全く問題ないにも関わらず、財政赤字を問題とし、富裕層の意向を踏まえ、政府はこれまで緊縮財政・消費増税を進めてきました。この消費税増税でさらに(消費や人口増加に寄与する)庶民への所得の再分配が減ることとなり、(庶民から富裕層への富の移転に伴う)所得格差拡大、消費減・デフレ、金利低下や人口減少がさらに進行するでしょう。

この令和元年10月の消費税増税という「富裕層の勝利」「庶民の敗北」を機会に、これまでのメッセージ付イラストを通じて伝えたかったことをまとめたいと思います。

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<利益至上主義の下での能力主義(自己責任原則)>

〇今の緊縮財政や規制緩和、経済グローバル推進政策は、新自由主義の思想に基づくものです。新自由主義とは、可能な限り小さな政府(緊縮財政など)とし経済活動を民間にゆだねる、また、経済上のあらゆる障壁(規制、関税など)をなくして競争を促進することで、経済効率性・生産性を高め、供給力の高い社会とすることです。供給力を増やすことを主眼とするサプライサイド経済です。この新自由主義、エリート主義(富裕層主義)とも呼ばれ、能力の高いエリート(強いもの)をより強くすることで供給力を高めることを目指します。すなわち、強いものはより強く、弱いものはより弱くなるということです(格差の拡大)経済グローバルを富裕層はエリート主義とは自分では言いませんが、反経済グローバル(関税の引き上げなど)を富裕層はポピュリズム(大衆主義)と言って批判します。これは富裕層のプロパガンダの一つです。

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〇今の日本の問題(経済および経済以外とも)のほとんどは行き過ぎた緊縮財政などの新自由主義に基づくものですが、それは新自由主義の根本思想の「利益至上主義の下での能力主義(自己責任原則)」によるものです。すなわち、新自由主義とは、供給サイド(働く人目線)において、利益を稼ぐ能力の高い人(エリート、富裕層)に富を移せば、より賢くお金が使われ、社会の供給力が高まるという思想です。

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(注)イラスト中の「ヘイゾー先生」は竹中平蔵がモデルです。彼の思想を参考に彼が話すんだろうなとフィンチが想像した発言をイラストに記載しています。

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戦後から平成に入るまで昭和の日本は、(欧米の能力主義とは異なり)プロセス主義でした。このプロセス主義は、能力主義と異なり、結果ではなく過程を評価することです。簡単に素晴らしい結果を出しても評価されない少数のエリートは「出る杭は打たれる日本」とダメ出ししましたが、真面目にコツコツにやることも評価され、年功序列で皆公平に給与が上がっていくため、多くの庶民が頑張りました。税金は累進課税に比重が置かれ、富裕層や大企業は稼いでも多くが税金にとられ、庶民に再配分されました庶民が重要視され、それにより庶民の知識・技術水準が高く維持され、あるいは、非効率な業務を庶民が担うことで、格差が小さくなり庶民によるボトムアップで経済が支えられる・・・、これが日本のこれまでの強みでした。

〇昭和の日本では、役員になれば給与はあまり増えませんが、あまり仕事をする必要はなく、もっぱら部下が仕事しやすい環境を整えるのが仕事で、部下がボトムアップで会社を支えていました。すなわち、役員本人の給与や株主配当を高めるよりも(もらい過ぎとの批判を避けたいとの目的もありますが)部下への給与を高めることを重視していました。(過剰品質・過剰サービスや中小企業が多い(大企業に比べて規模の利益が小さい)ことが日本の生産性の低さの一因ですが、)利益をあまり重視せず、従業員給与として利益の多くを支払っていたことは日本の生産性の低さの一因です。 

〇昭和の時代は、今の東京一極集中ではなく地方も頑張ることができました。当然、都会に比べれば、地方は人口密度が少なく効率性は悪い(投資に対して利用者が少ないため利益が小さい)です。ただし、1940年代後半の戦後の食糧難に都会から地方に人が移動したことによる地方の人口増加や、1970年代以降の田中角栄の「日本列島改造論」などによる地方への投資(広義の所得再配分)で地方の力を維持し、日本の人口増加、消費を増加させてきたと言えます。

〇一方で、米国は能力主義、エリートの国です。高校で勉強しながらボランティアもやり、アイビーリーグ(名門私立大学)では寝る間を惜しんで勉強して、MBAを取得して、大企業に入り忙しく働き、役員になってトップダウンで従業員に指示して、巨額の報酬を手に入れる(早目にリタイアして、フロリダの超豪邸で暮らす)。一方、米国のノンエリートは一生給料が上がらず貧しいが、責任はなく、与えられたマニュアルどおりに仕事をして定時に帰り、ワークライフバランスを満喫するが、解雇リスクに怯える。米国企業は責任のあるエリートが、責任のないノンエリートを動かし、エリートはそれに見合った多額の報酬を得るトップダウン方式であり、エリートはノンエリートをコスト(費用)として見ており、米国ではひどい格差が存在します。

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〇日本に進出した外資系企業も能力主義であり、能力有無が給与にダイレクトに影響します。基本的には日本企業からの転職者(経験者)を採用、高い給料を払う一方で、働いた経験のない大卒新人は採用しないか、もしくは極端に給料は低い。新人育成を日本企業に任せて、日本の外資系企業はそれを刈り取るスタイルをとっています

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〇フィンチは今の行き過ぎた利益至上主義の下での能力主義は問題だと思っています。金を稼ぐことができない人も、素晴らしい面がたくさんあります。今の能力主義は、金儲けできる人が社会的に優遇されすぎ、そうでない人が冷遇されすぎていると感じています。(子供の教育に多くのお金をつぎ込むめるため、)金持ち以外の子供より金持ちの子供が有利という出生環境による差が生じることや、そもそも生まれ持った才能(努力するという才能も含む)による能力差が生じることなど、すなわち自分ではどうしようもできない先天的な出生差(環境、能力)が能力主義では考慮されないことが問題と考えています。

〇人にはそれぞれ生まれ持った環境、能力に差(出生差)があります。東京の富裕層に生まれるのと地方の庶民に生まれるのとでは受けられる教育は大きく違います。また、知能指数など生まれ持った能力で、後天的にどれだけ努力しても、限界があるのも事実です(勉強などの利益を稼ぐという能力という意味です)。この後天的な努力でどうしようもない部分を、能力主義では認識しません。結果を出せず利益の出せない人は、たとえ一生懸命頑張ったとしても、またいくら心が優しくても、エリートからするとただのゴミくずなのです。

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〇ある人が結果を出せない場合、その人は一生懸命頑張っているのでしょうか、それとも、サボっているのでしょうか?それはその結果の出せない人にしか分からないですが、性善説に立つ人はおそらく「一生懸命頑張っている」と信じ、性悪説に立つ人は「サボっている」と感じるでしょう。そして、エリートは自分に能力があり、人の弱みがわからないこともあって、さぼっていると感じてしまうのです。結果を出せない人に対して「サボっているため貧乏になってもよい」とする、それは自己責任原則の立場です。

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〇そもそも欧米のエリート主義は「ほっておけば人はサボる」という性悪説に基づく自己責任原則に立っていて(潜在的インフレ)、日本は昔から「ほっておいても人は頑張る」という性善説に立っていると感じています(潜在的デフレ)。これらは、欧米は狩猟民族で個人主義・日本は農耕民族で全体主義であること、欧米のキリスト教性悪説キリスト教の教えは、アダムとイブがエデンの園の禁断の実である林檎を食べたことで人は生まれながらに罪を背負っています。そのため、悔い改めることが必要です。仏教の教えは、人は皆苦しみを持っている、です。そのため、欲望をなくすことが必要です。)であること、日本は災害大国であり過去の多くの災害を皆が協力して乗り越えてきたことなどが影響しているかもしれません。

〇先ほど述べたように、自己責任原則では、自分ではどうすることもできない、生まれ持った出生差やその後の運命などが考慮されません。富裕層の家庭に生まれれば、高い教育を受けられることに加えて、その両親の高い能力的を遺伝的に引き継いでいる可能性も高く、強いものはより強く、弱いものはより弱くなっていきます。その出生差を、昭和時代は高い法人税、積極財政、低い消費税で幅広く所得再分配を行い、庶民と富裕層の公平性を保っていたと言えます。「費用のかかる人工透析患者なんて全員実費負担にさせよ」という意見があります。当然、医師の意見も聞かずに不摂生にしていた人もいるでしょうし、規則正しく自制した生活をおくっても人工透析にかかる人もいるのです。それらを一律に自己責任で批判するのはおかしいと感じます。今の法人税減税・消費増税・緊縮財政は庶民に著しく過度な負担をかけています。それを次に経済学の観点から説明します。

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<経済とインフレ・デフレ>

経済経世済民、世よを經(をさ)め、民たみを濟(すく)ふ)の基本は、どのように供給物を産み出し、消費者の需要に応じてどのように供給するか、それをどのように政治を使って行うかです。利益やお金は分配のため手段といえます。仮想的な世界を考えましょう。国民の働ける人が(社会のためだと)好きなように働いてモノを産み出し、それらの産み出されたモノの合計が、消費者の需要(ニーズ)の合計に一致している場合、上手に分配すれば消費者はニーズどおり消費できることになり、理想的な世界です。その考えに近いのが社会主義の思想です。 

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社会主義、利益ではなく、計画的に生産・分配を行うことで皆が平等に豊かになるとして、カールマルクスにより提唱され、ロシアでは1917年のロシア革命から1991年のソ連崩壊まで実践されました。ロシア革命に至ったきっかけは、小作農や工場労働者が地主や資本家から搾取されていた(ひどい労働条件・環境で働かされ生産の多くを奪われた)ことに加えて、第一次世界大戦の戦費のため、国内の経済がインフレに陥り、生活物資不足で国民の不満が爆発したことによるものでした。ロシア革命により、地主は排除され、小作農は農地を得て、集団農場などで国家による計画経済も進められました。それは多大な犠牲を払った壮大な社会実験でしたが、実態は農民や労働者が地主や資本家に替わって国家から搾取されるというもので、結果的に大失敗に終わりました。失敗の主な理由は次のとおりです。 

・頑張ってもサボっても給料は同じであり、働くモチベーションがわかない、また、商品ごとに生産する企業が割り当てられ競争がなく、生産性低下や商品の質が劣化し供給力が減少した

計画経済が(選挙ではない)独裁政治によるものであり、政府の都合のよい計画になってしまった(批判する人は粛清された)

ソ連崩壊後の1992年以降、ロシアでは計画経済から市場経済への移行が図られました。と同時に、猛烈なインフレに見舞われました。これは、生産性が非常に低く供給力を上げられなかったことに加えて、これまで計画経済で市場を独占していた企業が自由に価格を引き上げたこと、これまでの社会主義で税金徴収システムが整っておらず財源不足分をお札(ルーブル)を大量に刷る(発行する)ことでまかなったことなどが理由です。ロシア市民は、インフレで通貨の価値がどんどん目減りするので、物々交換や米ドルを使用するなどで耐えました。この経済苦境を受けてIMFは、ロシア経済の管理を強め、お札を刷らずに国債を発行するように提言したことなどにより、インフレは一時的に収束に向かいました。

<インフレ率>

   1993  1994  1995  1996  1997  1998  1999
ロシア 874% 307% 197% 47% 14% 27% 85%
  日本 1.2% 0.7% -0.1% 0.1% 1.8% 0.7% -0.3%

 

〇インフレは、モノの価値が相対的に上がり、おカネ(通貨)の価値が相対的に下がることです。モノが作れないまたは非効率であることからモノの希少性が上がること(供給不足)や、通貨を大量に刷ること(通貨の希薄化)、景気が良いときは需要増加(需要過多)などでインフレは生じます。通貨に大量に刷ること(もしくは大量に国債を発行すること)はインフレにつながる一方で、インフレになっていないデフレの場合は逆に、通貨に大量に刷ること(もしくは大量に国債を発行すること)で需要を増加させることができます。日本の財政赤字が問題視されていますが、財政赤字は単なる紙幣発行(※)ですので、財政赤字ではなくインフレなのかデフレなのかで判断すべきです。そして日本はデフレであり、通貨の価値が高すぎることや需要を増やす必要がある以上、積極財政するべき、消費税減税するべきなのです。デフレで供給過多に陥っている今の日本で、これ以上、構造改革や金融緩和、グローバル化で供給力を増やす必要はありません。今のデフレの日本が積極財政等で庶民にお金を回せるという事実は、富裕層の「不都合な真実」になっています

(※)財政赤字は単なる貨幣発行、負債は誰かの資産、費用はだれかの収益。

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 〇ロシア経済が過去からインフレで苦しんだのと同様に、米国経済もインフレとの戦いでした。1970年代の米国はインフレと経済の低成長が同時に発生するスタグフレーションに悩まされていましたベトナム戦争の長期化によって多額の財政支出が生じたことや1930年代からのケインズ主義に基づく財政支出を継続してきたことによる貨幣価値の低下と、各種規制による保護により労働者の勤労意欲や企業投資の減退により供給力のの減少、米国の競争力限界が見え始めたことなどが原因です。簡単に言えば、1970年代までの米国は、財政支出を増やし過ぎて貨幣価値が低下したことや皆が働かなくなったので供給力が落ちて(モノが少なくなり)インフレになっていたことになります

〇1981年に強いアメリカを標榜するレーガン大統領が圧倒的な支持で大統領に就任しました。レーガン大統領は、歳出削減、大型減税、規制緩和などを主軸とする新自由主義政策(レーガノミックス)を実施し、インフレの沈静化や株価も上昇につながりました。このレーガノミックスはその後の強い米国経済の礎を築いたと高く評価されています。過度な新自由主義を進め、GAFAなどの強大なIT企業を産み出したことや大きな貧富格差を産み出したとも言えます新自由主義は人々の生活を便利に、そして安い商品(デフレ化)をもたらしますが、一方で競争を煽り、格差を広げ、不安定化し、多様性は失われ画一的な商品化につながります。

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新自由主義レーガノミックス)が米国で成功したのは、米国はインフレ潜在国だからと考えています。米国人は楽天家・合理的で、できるだけ楽をしよう供給は減る方向)とし、また、欲望は限りない需要は増える方向)。合理的であれば、多くを占める庶民は選挙で自分の都合の良いポピュリズム政策を選ぶ議員を選ぶでしょう。実際、新自由主義に転換する1970年代まではずっと米国はインフレに苦しめられてきました。米国のインフレ潜在要素が新自由主義にマッチしたと考えています。

〇ロシアや米国の事例だけではなく、多くの国がインフレに悩まされてきています。日本も物資の少なかった戦後はインフレになっていました(戦争で供給力が破壊されたことによる)し、ジンバブエや今はベネズエラハイパーインフレを経験しています。そのため、経済学はインフレ抑制を目的とした、供給力を高める新自由主義が主流派になっているだと思います。

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〇日本は、他国が長年経験してきて苦しんできたインフレでは全く困っていません。一方で、日本は平成の20年以上をデフレで苦しんでいますが、これは世界でも経験したことがない事象です。この事象は新自由主義では説明ができず、MMTなどの新しい経済理論に基づく必要があります。日本人は、幾たびの災害を経験してきたこともあり、悲観的・非合理的で、真面目に仕事をしよう(供給は増える方向)とし、また、欲望は他の人に譲り合い限定的(需要は減る方向)なデフレ潜在国ではないかと考えています。

〇この日本のデフレ継続は、そもそも相対的に供給力の高い日本というデフレ潜在国に、誤った方向での供給力を高めるという施策の結果、庶民から富を奪い過ぎて消費が減少、富裕層に富を移転し構造改革をやり過ぎて供給力が高まりすぎてしまったということだと思います(コンビニにモノが溢れかえっているのを見ればわかると思います。なお、コンビニの弁当廃棄問題など、また企業の新陳代謝が激しいなど、新自由主義は実はムダが多いのではないかとも考えています。)。供給力を高めているのでモノづくり・サービス提供のため人手不足になっていますし、富が富裕層に移転するので、その効果で株価も上昇していますが、デフレ・格差などその弊害は出ています。これからは施策を見直すべきです。生活を便利にするキャッシュレスに政府が投資する必要は全くありません。利便性は民間に任せていればよいのです。投資を地方インフラや科学技術に回すとともに、庶民にお金を回す(所得の再配分)ことで消費が増加し、地方の人口も増えていくと思っていますふるさと納税があれだけ過熱するのも、地方ではインフラ投資が必要だからです。 東京は恵まれすぎていて(効率性が非常に高い)、効率差に見合う部分は地方に回すべきでしょう。

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<日本のこれまでの新自由主義施策の取組みと弊害>

 〇ここからは、1990年代以降に取り組んだ新自由主義の取り組みの一例とその弊害のイラストになります。イラストにしていない施策も多くあり、あらゆる面から自由化、規制緩和に加えて富裕層に富を移す施策が実施されました。f:id:beatle_hat:20190713232358p:plain

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〇では、なぜ財政赤字を問題視する一方で、経済学の本質であるデフレ対策(デマンドサイド経済)の話題が出てこないのでしょうか?これは、経済政策を議論する人たち(経済学者、政治家、大企業経営者、財務省、経済新聞、日銀等)は富裕層もしくは富裕層と関係しているからだと考えています。経済に関して意見を言う経済学者はお抱えの経済学者です。この経済学者は、富裕層のため、新自由主義ありきで物事を説明しようとするので説明が支離滅裂です。世界的には新自由主義の進行で貧富の格差は広がっており、その反動で、トランプ大統領誕生やブレグジットなど、デマンドサイド経済重視型(ポピュリズム)に移行しつつあります。世界の富裕層がつながっているように、世界の庶民がつながることで富裕層に対抗できるのではないか、と考えています。

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日本経済新聞について> 

日本経済新聞は富裕層を代表する新聞であり、利益至上主義の下での能力主義(自己責任原則)に基づいて、日本の人口減少、少子高齢化財政赤字などの不安を庶民に煽ることで、新自由主義(消費税増税・緊縮財政・グローバル化など)を推奨してきました

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〇フィンチが日本経済新聞がひどいと感じているのは、日本経済新聞は日本の財政に問題がないこと、庶民を貧しくするということを日本経済新聞がよく理解したうえで、緊縮財政・消費税増税を進めているという点です。それは日本経済新聞の意見の変遷から読み取れます。1990年代の日本経済新聞は、日本国債金利が上昇する(バラマキに伴う通貨価値の下落での破綻)ので、緊縮財政を進めましょうと言っていました。ただ、緊縮財政を進めても逆に国債金利が低下してきた(※)ため、ある時から国債金利上昇を言わなくなり、プライマリーバランスや多額の国債残高のみを責めるようになりました。

(※)この要因は主に、法人税減税等による企業の供給力の増加と、庶民の貧困化による消費の減少です。この庶民の消費減少を、日本経済新聞はこれをデフレマインドと言っていますが、これは消費増税や緊縮財政による庶民の貧困化によるものです。そしてこの庶民の貧困化は経済的に苦しいという理由で子供を産まないにつながり、人口減少の要因になっています。

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財政のバラマキはインフレになっていない以上、バラマキではなく「投資不足」です日本経済新聞は、朝日新聞などとは異なり、経済を十分理解していて、この緊縮財政が庶民を苦しめているのは十分に分かっています。分かった上で、自己責任原則の下で緊縮財政・消費税増税を進めているのです。それも自分は消費税増税の軽減税率の恩恵を受けた上でです。

日本経済新聞のトーンも少し新自由主義一色からポピュリズム的な意見を言う人の記事も掲載されつつあると感じています。日本経済新聞には、正しい経済学に基づき日本のための適切な提言を期待したいと思います。

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<さいごに> 

 〇日本の財政赤字は全く問題ないにも関わらず、この消費税増税でさらに(消費や人口増加に寄与する)庶民への所得の再分配が減り、(庶民から富裕層への富の移転に伴う)所得格差拡大、消費減・デフレ、金利低下や人口減少がさらに進行します。

〇これまで見てきたように、緊縮財政と積極財政はどちらが良いというものではなく、インフレになれば緊縮財政、デフレになれば積極財政で調整すべきものです。そして日本は今長期にわたるデフレ状態ですので積極財政・消費税減税が処方箋なのです。当然、これからも日本は何十年、何百年と存続します。他国と同様、日本もこれまで素晴らしい国でした。この素晴らしい日本そして世界が、格差が小さく皆が幸せでありますように。 そのために、これからもメッセージ付イラストを掲載していきたいと思います。

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以上/ご覧いただきありがとうございました。  

 

(注)このブログに問題・意見等のある場合には申し訳ありませんが、その旨をコメント欄に記載ください。速やかに削除、修正等の対応を行います。