新型コロナとインフルエンザ

 

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◯1月7日、日本政府は、1都3県に対して緊急事態宣言を再発令した。感染者増加に伴う医療の逼迫に専門家会議や都県知事からの要請による。東京の新規感染者は、年末以降急増した。なぜだろう。

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◯人の移動、接触だろうか?GoToトラベル期間と見比べてみる(下図)。確かに11月以降、新規感染者は増加しているが、GoToトラベルで移動の多かった9月、10月はそれほど増えていない。移動以外の別の要因は何だろう。

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◯イギリスなどで感染性の高い変異種が12月以降報告されている。この影響だろうか?

 

◯これまでも寒くなると感染拡大する懸念があると言われていた。気温との関係はどうだろう。

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◯当然、気温が下がると感染者は増えている。15℃を下回ってから増えているようだ。これまでの季節性インフルエンザはどうだろう。

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◯上の図は2004~2012年の季節性インフルエンザの推移。毎年流行を繰り返し、2009年は当時の新型インフルエンザの流行で増加。2009年11月9日の週には全国で新規感染者は推計で164万人、累計患者数も902万人に上る(Wikipediaより)が、従来の季節性インフルエンザに比べて死亡率はそれほど高くはない。

 

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◯上の図は2012~2020年。毎年気温が下がると感染増を繰り返しているが、2020年前半の山は小さく、2020年後半は従来のインフルエンザは激減。新型コロナの流行による感染予防対策で従来の季節性インフルエンザは絶滅危惧種化!!!

◯以上で使用したデータは、

・平均気温:気象庁 https://www.data.jma.go.jp/gmd/risk/obsdl/

・新型コロナ:厚労省 https://www.mhlw.go.jp/content/pcr_positive_daily.csv

・季節性インフルエンザ(2020年第7週まで):WHOに基づく(kaggle)https://www.kaggle.com/lachmann12/weekly-influenza-reports-by-country
・季節性インフルエンザ(2020年第8週~第52週):国立感染症研究所のデータをWHOデータより全国値に変換 https://www.niid.go.jp/niid/ja/data.html

 

◯15℃を下回ると感染者が発生、平均気温が下がると増加するようなので、15℃以下の場合に平均気温のグラフを反転させてみる。 

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◯ほぼ似たような形状。2014/2015と2019/2020がずれているが、2019/2020は新型コロナの感染予防による。(なお、国立感染症研究所の資料だと、2014/2015は、第 13 週時点で、過去 3 シーズンのなかでは比較的早く流行が終息しつつある地域が多かった、とある。 )

◯では、新型コロナはどうだろう。

 

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◯まぁ、近い形状。東京の平均気温だし、スケールの取り方にもよるのだが、感染の傾向は従来の季節性インフルエンザと類似する可能性がある。

 

◯ではなぜ気温が下がると感染が拡大するのだろう?

理由①季節性インフル、新型コロナは低温、乾燥を好むため。

論文「Influenza Virus Transmission Is Dependent on Relative Humidity and Temperature」(インフルエンザウイルスの伝染は相対湿度と温度に依存する)では、20 ℃に比べて 5 ℃という低温下の方が、インフルエンザウイルスの伝染効率が上昇とのこと。

https://journals.plos.org/plospathogens/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.ppat.0030151

論文「Effects of Air Temperature and Relative Humidity on Coronavirus Survival on Surfaces」(ものの表面でのコロナウイルスの生存に及ぼす気温と相対湿度の影響)では、ステンレス鋼でのコロナウイルスの生存に対する気温と湿度の影響を調べていて、4°Cでは、感染性ウイルスは28日間持続し湿度20%で不活化は最低レベル、また、すべての湿度レベルで4°Cよりも20°Cの方が不活化は速かった(4°Cの方が活性化)とのこと。

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2863430/

論文「The Effects of Temperature and Relative Humidity on the Viability of the SARS Coronavirus」(SARSコロナウイルスの生存率に対する温度と相対湿度の影響)では、低温および低湿度環境でのSARSコロナウイルスの安定性がより良いため、春の亜熱帯地域(香港など)のコミュニティおよび空調環境での感染を促進する可能性があるとのこと。(TVでも放映されたSARSの際の香港の高層マンション(Amoy Gardens)の300人以上の居住者の発生が、汚染された糞便でのウイルスのエアロゾル化による伝播。))

https://www.hindawi.com/journals/av/2011/734690/

 

理由②低温で免疫力が落ちるため。

・冬は冷たい空気が入り鼻の中の温度が下がった状態になり、免疫の働きが低下してしまう。また冬の空気が乾燥していることも防御能力を低下させる。鼻やのどには、「線毛(せんもう)」があり、侵入したウイルスなどの異物を外に出す働きをしています。ところが、この「線毛」は湿度が低いと働きが弱くなる。(下の画像参照)

https://www.nhk.or.jp/kenko/atc_1265.html

 

冷たい空気が入ると鼻の免疫力が低下する

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◯以上から、気温と新型コロナとは深い相関関係があると考えられる。すなわち気温が下がると感染しやすくなる、すなわち基本再生産数が上がるのだ。(それにつれて実効再生産数も上がる。)

 

◯西浦博教授は、SIRモデルを用いて感染者を予測し、緊急事態宣言解除しても春に再宣言もありうると警告している。ただ、このSIRモデルは、感染症の短期的な流行過程を決定論的に記述する古典的なモデル方程式。気温に依存して基本再生産数が変動しないので、信ぴょう性が乏しい可能性もある。国民を守りたいという意識も理解するが、一つのシナリオであり、前提等をしっかりと示し、他の専門家の意見を確認する必要がある。

 

 

 

◯また、以上から、例年の平均気温および季節性インフルエンザのピークは1月下旬~2月上旬なので、平均気温との関係が季節性インフルエンザと同じであれば、新型コロナもその時期にピークを迎えるだろう。(足元は増加する。)

 

 

◯次週は、インフルエンザに比べれば、感染者は劇的に少ないことを示したい。

 

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〇平成の時代は、何の問題もない日本の財政赤字を問題視し、消費税増税・緊縮財政を進め、庶民から富裕層へ富を移転、庶民を貧困化させ、消費が減少(デフレ)、子を産み育てる意欲が減退(人口減少)しました。また、供給過多になりCO2が増加、温暖化が進みました。

http://beatle-hat.hatenablog.com/entry/2019/07/14/205433

〇そのような消費税増税・緊縮財政を提言している経済同友会に所属する大企業や、財務省日本経済新聞ウイグル問題に触れずに中国企業と提携する大企業などを批判しています。

〇各国が自尊他尊し、格差なく平和に豊かに暮らせますように。

〇この作品に問題等のある場合には申し訳ありませんが、その旨をコメント欄に記載ください。速やかに削除、修正等の対応を行います。

以上/ご覧いただきありがとうございました。