新型コロナの各国新規感染者数の最近の推移(2021年2月上旬)
日本は足元で新規感染者数は減少傾向であるが、下のグラフの通り各国でも1月上旬をピークとして大幅に新規感染者数は減少。欧米に比べて日本は感染者数は格段に少ないが、各国同じ傾向なのはなぜだろう。(2021年2月5日時点)
減少している理由として考えられるのは、
①ロックダウン等の各国の感染対策が奏功した可能性
ニューヨークのクオモ知事は、2020年10月にCOVID-19の症例が急増しているクラスター領域に次のゾーニングを実施。(1月27日州全体のほぼすべてのカラーゾーンを解除)
レッドゾーン(最も極端):すべての懇親会を禁止し、すべての重要でないビジネス(礼拝所を除く)を閉鎖し、学校を遠隔地のみに制限します
オレンジゾーン(警告ゾーン):懇親会を10人に制限し、食事をテーブルごとに4人に制限し、定員を50%にします。学校では毎週の必須テストが必要で、サロンでは定員を減らしてテストを増やします。
イエローゾーン(予防ゾーン):懇親会は25人に制限され、食事はテーブルごとに4人に制限され、定員は50%であり、学校では毎週必須のテストが必要です。
COVID-19 pandemic in New York (state) - Wikipedia
英国では、全面的なロックダウンを導入し、ワクチン接種を急ぐ。また、ロンドンのカーン市長は「重大インシデントを宣言する」と表明。(英国の封鎖は継続、イングランドは2月22日頃に次の発表が予定されているとの報道)
ドイツはロックダウンを2月14日まで延長。
日本も主要都府県でロックダウンを3月7日まで延長。
②クリスマス、年末年始に人の接触が多かった。そのピークを過ぎたから減少した可能性。
ここで取り上げた国はほぼ1月10日前後でピークだった。5日程度発症に時間がかかるとすると、クリスマス、年末年始接触により感染が拡大し、一時的に増加していたとも考えられる。日頃接触しない人と(深夜までともに飲食するなど)親密な接触が、感染拡大の大きな要因かもしれない。
発症の時期は直後から5日間。重症者数は発症から1週間以上経ってから増加。
③気温が上昇したから感染者が減少した可能性。
インフルエンザの場合、気温が上がると免疫力が上がり感染が縮小する傾向。
ただ、12月以降で各国の平均気温と感染者数のグラフを見ると、英国(ロンドン)では気温上昇&感染者減少もみられるが、その他はあまり気温と感染者数の関係は見られなかった。もしかすると過去のインフルエンザの増加傾向も気温よりも年末年始接触が大きな要素かもしれない(調査要)。
※気温データは気象庁のデータを使用。
※感染者データは札幌医大 フロンティア研 ゲノム医科学HPを使用。
④ワクチンが浸透した可能性(2月9日追記)
1月初旬はどうだったかわからないが、2月9日時点で、米国では4,240万回(人口の12.8%)、英国では1,200万回分(人口の19.2%)のワクチン接種がなされている。この接種の広がりが徐々に感染を減らしている可能性がある。(日本では今のところ未実施)
次は死亡率の状況について調べる予定。(インフルエンザでは直接間接的な死亡が一定程度発生するため、インフルエンザが激減している今冬は死亡者が減少している可能性がある。)
以上、ご覧いただきありがとうございました。