役員報酬と利益偏重

〇日本の役員報酬が高額化している。

 

〇欧米と日本の働き方等の違いは次のとおり。

欧米タイプ

日本タイプ

個人主義・利己主義

(他人をけり落とす)

全体主義

(出る杭は打たれる)

仕事とプライベートを明確に分ける

仕事とプライベートを混同(飲み会でも仕事の話)

トップダウン(経営陣主導)

ボトムアップ(現場主導)

上司が即時決定

上司で話が決められないので決定に時間がかかる

上司は部下の業務内容を熟知

上司は部下の業務内容の詳細は知らない

経営陣の独創主導

従業員の改善主導

経営陣が遅くまで働く

従業員が遅くまで働く

2層化(エリート(経営者)とノンエリート(労働者))

2層化しているが一体的

能力主義(仕事ができれば年齢に関係なく昇進)

年功序列(仕事ができなくても昇進)

経営陣の報酬高額

経営陣の報酬は欧米ほど高くない

上司優秀

部下優秀

効率的

非効率

即戦力重視(エリート学生は大学で猛勉強、ノンエリート業務はマニュアル化)

育成重視(学生は大学で遊ぶ)

転職前提

終身雇用

利益至上主義

社会貢献主義

株主重視(従業員給与は減らす方向)

従業員重視(従業員給与は増やす方向)

貧富の差が生じる方向

貧富の差はあまり生じない

 

アベノミクスの推奨する利益重視・株主重視になるほど、日本の会社は、これまでの日本的な社会貢献主義・従業員重視から欧米的な会社に変わっていく。非正規が多くなり貧富の差が進むという望ましくない方向に変わっていくのだ。

「アベノミクス 第三の矢」としてのコーポレートガバナンス改革|EY総研インサイト Vol.2 Autumn 2014 「レポート」|EY総合研究所